7月10日(晴れ) *repo* arai
東北病・再発 【3日目】 運命の決断
すっかりお世話になりました。また、来年もよろしくおねがいします!
ロッジの前にて、今年も、オーナーのクボタさんをはさんで記念撮影。
実は、この玄関前に、小さな黒板が置かれています。
そして、そこには、白いチョークでこんな文字が……、
「6月○日 ○○県××様 34p、6月×日 △△県□□ 様 36p ……」
そうです! ロッジに泊まったお客さんが今シーズン釣り上げた「尺上」のリストだったのです!
その数は8〜10人ほどだったでしょうか。今年は例年以上に、尺ラッシュだそうです。
なかでも、一昨日お世話になった Sakaiさんの名前の次に記された
「40p」は、断然、輝いていました。
「あと、二人分、スペースがありますねえ。」
どちらからともなくそんな言葉が聞かれ、顔を見合わせ、笑い合う我々ですが…。
最終日に我々が入ったのは、先日、kiyo さんたちが
34cmを頭に、尺ラッシュを演じた、その同じ区間です。
ところが、どうしたことでしょう?いっこうに反応がありません。
一時間ほどやって、竿抜けらしきポイントからかろうじて出てきたのは12,3cmのおチビちゃんです。
「移動しましょう!」
どうやら、Hiyamaさんも同じことを考えていたようです。
さて、どこに行きましょう?
あの川、この川、移動にはどのくらい???
そして、最終的に我々が下した「決断」は……?
なんと、それが大正解だったようです!
なぜなら、最初のポイントで、私に、いきなり「尺岩魚」です!
こんなポイントです。
ゆらゆらと浮いているのが見えていました。
さて、「尺岩魚」が浮いていたのは、どこでしょう?
すぐに、おわかりですね。
そう、張り出した枝の下流、岩盤沿いの緩やかな流れの、丸く頭を出した岩の、「前」です。
(この写真は釣った後に撮影したもので、ポジションは、もちろん、ずっと下流側から、アップで狙いました。)
枝の下流に、運良く一発で落ちたアントパラシュートは、岩盤沿いを緩やかに流れます。
それを魚がためらいもなく咥えたことを確認してから、ゆっくりと合わせると、一転して、猛然と走ります。
そのまま下の落ち込みに突進するのを、バットをひん曲げながら、いなします。
そうして、ようやくネットに収まったのは……
メジャーを当てると32cm。やっぱり岩魚は、夏空のもと、昼間の撮影にかぎりますね。
私も、ようやく、ニコパチができました。
さあ、これからです!
すっかり、本気モードで攻めまくる Hiyamaさん。
ところが、なんと、すぐに「通らず」に突き当たってしまいました。
おまけに、上流で工事でも始めたのでしょうか?「濁り」が入ってきました。
さて、どうしましょう?
時間を考えれば、このまま早上がりでも十分でしょうが… …。
「移動しましょう!」
本日、2度目の「決断」です。けれど、もう、時間はありません。
で、最後に移動した川で……。
またも、ドラマが待っていたのです。
二人それぞれにテンポ良く魚を釣り上げ、たどり着いた最後のポイント。
もちろん、Hiyamaさんにやってもらいます。
反転流の泡の中から、一発で引き出したのは、なんと尾びれの大きく張った「尺岩魚」です!
大きな頭と二つに割れた上あごは、大岩魚の貫禄たっぷりです。
Hiyamaさん、お見事!
最後の最後にやってくれました!
ドラマのような展開に、握手を交わしながら、二人で笑うしかありません。
「また、来年会おうね!」
今年も我々を楽しませてくれた魚に、畏敬の思いを込めつつ、リリースすれば……
ジャスト・タイムアップです。
「さあ、帰りましょう!」
筋肉痛の足を引きずる我々の心は、東北の美しい森と魚とに、すっかり満たされていたのでした。
それにしてもこの3日間、本当に良く歩きましたね。
帰り道、立ち寄ったSA から、クボタさんにお礼方々、電話をすると……
「お二人の名前、黒板に書いておきますね!」