6月3日 丹沢水系     *repo*  arai

「岩魚に会いたくて」



岩魚に会いたくて――、カレンダーがめくられ6月になると、無性にそんな思いにかられます。
そこで今回は、岩魚を求めて、丹沢のとある山岳渓流へと、釣り仲間のHideharuさんと一緒に行ってきました。

12:00、今日はベストやウエィダー類そしてお弁当を詰め込んだザックを背負って出発です。

車止めのゲートから林道をしばらく歩いていきます。一人ではめげそうな、長い登りの道のりも、 二人であれこれ尽きない話をしながら歩けばほとんど苦になりません。

途中こんなトンネルがあります。なかは完全な闇の世界で、一人でここを通り抜けるのは怖いところですが、 二人なので心強いです。



やがてダムに到着。見下ろすと、驚くほど透明な水の中、尺岩魚が悠然とクルージングしているのが見えます。 喉から手が出るほどの光景ですが、もちろん、手も足も出せません。



約一時間のハイキングを終え、心地よい汗をかいた頃、川に下ります。さあ、釣りのスタートです……、 と思いきや、われわれ二人の場合は、そうはなりません。まずは、ひんやりと冷たい沢水で顔を洗った後、 ビールで乾杯です。つまみや弁当を口にしながら、完全にピクニックモードです。きれいな渓流で飲むビールのうまいこと!

 

今回、Hideharuさんのロッドは、自分で組み立てたという新作です。ビールの後は、二人でロッドの振り比べです。



14:00 そろそろ釣り始めますか?

今回、あえて午後からのスタートにしたのは訳があります。釣り人の多いこの川では、 朝から中途半端に始めても先行者のあとを釣ることになってしまうだろう、それならいっそ――、と。

開始早々、Hideharuさんが本日の1匹目をキャッチします。かわいらしいヤマメベイビーです。
それでもうれしい一匹に、にっこり。



が、その後さっぱり反応がありません。しばらく上るとその訳がわかりました。先行者です。 やはり土曜日のこの川は釣り人が絶えないようです。

そこで一旦林道に上がり、しばらく先まで歩いてから再び入渓することに。
16:00 まだ時間はあります。早くに先行者に気づいてよかったです。 というのも、入ってすぐのポイントで私が1匹をキャッチ。元気いっぱいのヤマメです。なんてきれいな魚体なんでしょう。

 

次の1匹は岩魚でした。いかにもという、落ち込み下の泡の切れ目にソラックスダン#16を流すと、 3回目に出てきました。待望の岩魚に、Hideharuさんを呼び寄せ、二人でおおはしゃぎです。

そしてそれは、これからの山岳渓流の「岩魚の季節」の始まりを告げてくれるような、1匹との出会いになりました。

 

私はもう十分に満足なので、この先はHideharuさんに先行してもらいます。 何度か惜しい場面があったようですが、2匹目の岩魚を求めて行くうちに、大きな堰堤に到達です。 するとすぐにHideharuさんにヒット、ですが痛恨のバラしです。

その直後、別の場所で私がキャッチ。透明な水底に見えていた魚をサイトフィッシングで釣った1匹です。 何度かフライをローテンションした後、最後は#12のリアルなパターンに食いついてきました。

 

そのポイントにはまだ魚がいるので、交代してやってもらいます。
すると、すかさずHideharuさんもキャッチ。

 

またまた二人でおおはしゃぎ。うれしそうな顔です。

 



すっかり満足して、暗くなった林道を再び歩いて帰ります。

今日半日を振り返りながら、そして次はどこに行こうかな、などと尽きない話をしているうちに、 真っ暗な中、ゲートに到着です。

ふー、お疲れ様。良い汗をかきました。

岩魚の季節が始まりましたね。  (了)



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